作業記憶と注意の神経機構
複雑な課題を行うとき、例えば料理を作るときなどは、課題ルールの維持や情報の更新・選択を次々に行う必要があります。こうした機能は実行機能とよばれ、前頭葉皮質にその首座があります。当研究室では、短期記憶と情報の更新を必要とする視覚探索やn-back課題などをサルに行わせ、その際の前頭連合野の神経活動や薬物投与の影響などを調べています。例えば、右図の前頭前野ニューロンは、順に現れる視覚刺激の最新の位置を覚えるn-back課題で、過去の情報を消去するときに活動を上昇させています。また、空間内を動き回る複数の物体のひとつに注意を向け続ける際の前頭葉皮質の神経活動などもこれまでに明らかにしてきました。
関連業績
- Sawagashira R, Tanaka M (2022) Psychopharmacology
- Sawagashira R, Tanaka M (2021) eNeuro
- Matsushima A, Tanaka M (2014) J Neurosci 34: 5621
- Matsushima A, Tanaka M (2014) Cereb Cortex
- Matsushima A, Tanaka M (2012) J Cogn Neurosci