状況に合わせた行動選択と適応制御
状況に合わせて行動をフレキシブルに変化させる能力は生活を営む上で重要で、多くの精神神経疾患や発達障害でその能力の低下が問題となります。私たちの研究室では、視覚刺激に対する眼球運動の方向をルールに応じて切り替えるようにサルを訓練し、脳各部の神経活動を探っています。これまでに、ルールによって活動を変化させる多数のニューロンを視床や大脳基底核、小脳などで発見し、同部位を薬剤で不活化すると衝動的な行動が増加することを明らかにしています。さらに最近では、大脳と線条体の機能結合が状況に合わせてダイナミックに変化することや、行動戦略の更新に必要となるエラー検出に小脳や前頭葉が関与することを見出しています。
関連業績
- Tanaka M et al. (2021) Neuroscience
- Suzuki TW, Tanaka M (2019) Commun Biol
- Kunimatsu J et al. (2016) J Neurosci
- Yoshida A, Tanaka M (2016) Cereb Cortex
- Kunimatsu J, Tanaka M (2010) J Neurosci